豆知識

苗箱数が最大1/3に!密苗について本気で考える

※当記事を作成するにあたりヤンマーHP/密苗ページを参考に作成しています。

ヤンマー / 密苗

「ハウスにこれ以上苗が入らない。密苗って…実際はどうなんだろう?」
お悩みの方へ、密苗についてご紹介します。

この記事はこんな方へオススメ!
・面積が増えてきてハウスに苗が入らない…
・面積が増えてきたけど、体がしんどい…労力軽減できる何かないかな…

密苗(みつなえ)とは?

ヤンマー / 密苗

あまり明るい話題ではありませんが、農家の方の高齢化が進んでおり離農する方も増えてきています。
私自身、営業で回っていてお世話になったお客様方が毎年何軒かずつ引退されているのを肌で感じていますし、実際に年間5%ほど離農されているというデータもあります。そうなると残された方々が田んぼを引き継ぐ事になりますが、当然1軒あたりの作付け面積も増えていきます。

密苗とは、稲作の低コスト化&省力化を実現する新しい栽培技術です。
栽培方法が慣行とほぼ変わらず、品種や地域など関係なく導入できるため注目されている栽培技術です。
この密苗がなぜ注目されているのか…①省力化(労力軽減)②資材費削減 ③作業時間短縮 などがあげられます。
収量に関して言うと、慣行と同等か・もしくは若干落ちるというデータもありますので、収量をもっと上げたいんだ!という農家の方のは向かない技術かと思います。
「作付面積も増えてきて、ハウスも足りない・人手も足りない・作業が大変だ…」そんな方はぜひ密苗について知っていてもいいかと思います。それでは、解説します。

省力化(労力軽減)

ヤンマー / 密苗

苗箱数が最大1/3になります!密苗の最大の特徴は苗箱数が減ること!
今の面積を一人で対応できなくなってきている…
面積拡大したくても人が足りない…
そんな方!密苗は、今までと同じ面積を少ない苗箱数で植えることができます。
密苗がどのような省力化へ繋がるのか、少し例をあげると以下のような事が考えられます。

・播種する枚数も減る
・苗箱をハウスへ並べる枚数を減る
・ハウスから持ち出す枚数も減る
・田植機へ積込む枚数も減る
・田植え時の苗継ぎ回数も減る
・苗箱を洗ってしまう枚数も減る

低コスト(資材費削減)

ヤンマー / 密苗

育苗資材費最大1/2になります!
苗箱が少なくて済みますので、種籾代は変わりませんが、苗箱や培土代やハウス資材も削減されます。
また、ハウスの面積も今までより使いませんので、ハウス資材費の削減にもなります。

・苗箱数が1/3になる
・培土&覆土も1/2~1/3になる
・ハウスの面積も少なくて済むので、ハウス新設orハウス補修費用が少なくて済む

作業時間短縮

ヤンマー / 密苗

播種・苗運搬&苗継ぎ時間が最大1/3になります!
通常より種もみの量を2倍にすれば、播種の時間も削減されます!
また、田植時の苗継ぎ時間も少なくなりますので、今までと同じ面積でも田植えをしている時間が少なくて済みます。

・苗箱1枚あたりの籾量が多くなるので、播種時間も削減される
・苗の運搬時間も削減される
・田植え時の苗継ぎ時間も削減される

メリット・デメリット

◆メリット
・苗箱数が最大1/3になる!→今までと同じ面積を少ない苗箱数で植えることができる
・育苗資材費が最大1/2になる!→ハウスの新設や増設も抑えられる
・播種&苗運搬&苗継ぎ時間が最大1/3になる!→同じ面積でも苗継ぎ回数が激減!
・栽培方法は、慣行とほぼ同じ(小さい苗を植えるだけ)なので取り組みやすい

◆デメリット
・密苗に対応した播種機が必要
・密苗に対応した田植機が必要
・今までより収量が落ちる可能性がある

田植機はどうなる?

ヤンマー / 密苗田植機

ヤンマー田植機 ”密苗仕様”がオススメ

各メーカー密苗に対応する田植機を販売していますが、一番密苗田植機に力を入れているのがヤンマーかと思います。
ヤンマー密苗仕様の田植機は、専用爪となっていてレール取り口やガイドも密苗用となっています。
しかし、横送り回数と苗取り量の調整のみで①慣行苗②密苗の両方に対応できる&きれいに植付できるというのは一番のメリットではないでしょうか?

※ヤンマー田植機YRDAシリーズについては、別途記事を書きたいと思います!

まとめ

密苗は、周りの方々が離農して自分ちの面積が増えてきた!育苗ハウスが足りない!春作業が忙しすぎる!など大規模化に向けた田植えの大革命とも言えます。今まで通りの慣行苗を密苗仕様で植えるだけでも、苗使用枚数が"数枚/反"減りますので、いきなり密苗に挑戦するのはちょっと怖いなんて方にもおすすめです!もちろんしっかり密苗を作って10枚/反ぐらいで植えたいんだ!という方にもばっちりの技術&ヤンマー田植機です。今のところ慣行苗での田植えをしているが、作付け面積が増えてきて育苗ハウスを増設しようかな?なんて考えている方がいたら密苗にチャレンジする事をオススメします。密苗については色々言われていますが、基本的には苗を植えるというのは変わりませんので、そこまで恐れることはないのかなと思います。みなさんチャレンジしましょう!

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